乾燥肌でニキビになる!?そのメカニズムは?

思春期にできるニキビは、成長ホルモンや性ホルモンの分泌量が増加することによって、皮脂が過剰に分泌されることが原因です。一方、大人になってからのニキビは、乾燥肌が原因の1つです。そこで、今回は、乾燥肌と大人ニキビの関係についてご紹介します。

乾燥肌が大人ニキビの原因になるメカニズム

肌の表面が乾燥すると、皮膚の機能がうるおいを守ろうとして、たくさんの皮脂を出すようにはたらきます。そして、過剰に分泌された皮脂が毛穴に詰まると角栓が必要以上に大きくなってしまいます。角栓が過剰になると肌の酸化が早まったり、皮膚常在菌のバランスが崩れてしまって、肌荒れや炎症を起こしやすくなります。このように、乾燥によるバリア機能低下で皮脂の過剰分泌が起こることで、大人ニキビができやすくなるのです。

また、肌が乾燥しているとターンオーバーが乱れ、古い角質が残って固くなり毛穴を塞いでしまいます。さらに、皮脂の分泌が少ないと、毛穴が細くなり詰まりやすくなってしまいます。すると、角栓ができやすくなり、乾燥肌にもニキビができてしまうのです。

ニキビだからといって、皮脂や角栓を取り除き過ぎるとバリア機能が低下したり、ターンオーバーが乱れ、ますます乾燥に傾きます。それがさらにニキビ発症の原因になってしまうこともあります。
乾燥が原因のニキビは、空気が乾燥しやすい冬はもちろん、春は花粉症による肌荒れや、ほこり、寒暖差など、夏はエアコンによる乾燥、汗のかき過ぎ、紫外線ダメージなど、秋は寒暖差や秋の花粉などでできてしまうので、1年中乾燥肌対策を行うことが大切です。

乾燥肌以外の大人ニキビの原因

身体のリズムや生活スタイル、栄養バランス、ストレスや女性ホルモンのバランスの乱れなど、大人ニキビはいろいろな原因が複雑に絡み合ってできやすくなります。
ストレスも肌荒れや大人ニキビの原因になります。

睡眠不足や疲労などで過剰なストレスを受けると、身体は自らを守ろうとし、男性ホルモンやノルアドレナリンを分泌するので、皮脂の分泌が促進されます。また、肌を固くしてしまうため、毛穴が収縮して詰まりやすくなり、ニキビの原因になるのです。

また、女性ホルモンの乱れも大人ニキビの原因になります。

ホルモンにもいろいろ種類がありますが、特に女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは肌と密接な関わりをもっています。エストロゲンは、月経後、排卵に向かって分泌・増加し、次の月経の直前に急激に減少するホルモンです。皮膚との関係では、線維芽細胞にはたらきかけ、ヒアルロン酸やコラーゲンの生成を促進させることで、肌にハリやツヤ、うるおいを与えると考えられています。

プロゲステロンは、排卵後、黄体が形成されてから、次の月経の直前まで分泌されるホルモンで、子宮内膜を妊娠前の状態に整えます。皮膚との関係では、皮脂の分泌を活発にすることでバリア機能を守るはたらきが知られています。
本来、女性ホルモンは2つとも大切ですが、プロゲステロンには、皮脂の分泌を促すはたらきがあるので、大人ニキビを発生、悪化させてしまいます。

また、男性ホルモンも皮脂分泌を促進させ、ニキビを悪化させてしまいます。

一方、エストロゲンはニキビを予防、改善するはたらきをします。しかし、加齢によってエストロゲンが減ると乾燥肌に傾きやすくなり、大人ニキビの原因になることがあります。

まとめ

皮脂が少ない乾燥肌とニキビは関係がないように思われますが、乾燥肌でバリア機能が低下したり、ターンオーバーが乱れたりすることで、皮脂が過剰に分泌され、毛穴が詰まって、大人ニキビができてしまうのです。だから、大人ニキビの予防や改善のためには、保湿などの乾燥肌のスキンケアやエイジングケアの実践と、乾燥肌を防ぐ食事などの生活習慣の見直しを心がけることが大切なのです。