光老化を予防しよう!
紫外線によるお肌の老化は、「光老化」と呼ばれます。
光老化とは、紫外線ダメージによってお肌が年齢以上に老化してしまうこと。
光老化は加齢によるお肌の老化以上にダメージが大きいので、しっかり予防することが大切です。
また、予防できなかった場合は美肌から遠ざかってしまうので、場合によってはフォトフェイシャルなどによる治療が必要です。
光老化によるダメージの主な原因である紫外線A波(UVA)は、紫外線B波(UVB)と比べると、季節にも天候にもあまり左右されず、年間を通じて降り注いでいます。
だから、毎日、スキンケアしていても、紫外線対策を怠っていると、知らず知らずのうちにお肌の老化を進めてしまうことになってしまうのです。
そこで、この記事では、ナールスエイジングケアアカデミーの「光老化とは?紫外線ダメージによる肌老化のメカニズムと対策・治療法」を参考に、光老化のメカニズムや肌への影響をはじめ、予防のための対策について幅広くご紹介します。
光老化は肌老化の80%ってホント?
自然老化と光老化で起きる肌の老化の症状は異なります。
最近では、加齢よりも光老化のほうが、皮膚の老化の大きな要因だともいわれ、米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology=AAD)では、老化の約80%が、加齢以外の紫外線による光老化など外部環境が影響していると発表しています。
また、日本でも光老化の問題が日本皮膚科学会や日本香粧品学会などで検討され、予防や対策のための啓発活動が活発化しています。
そんな紫外線は季節や時間帯で強弱はあるものの、1年中降り注いでいます。
1年のうちでは春から初秋にかけての季節がいちばん強く降り注ぎ(4~9月に1年間のおよそ70~80%)、1日のうちでは正午をはさむ数時間が強いといわれています。(夏の10:00~14:00に1日のおよそ60%)
だから、紫外線が強いと感じる季節、時間帯だけの紫外線対策では、光老化を十分に予防することはできないのです。
紫外線対策はエイジングケアの基本として、1年中日焼け止めなどで対策を心がけましょう。
光老化の原因とは?
光老化の原因になるのはUVAとUVBですが、お肌に与えるダメージはUVAとUVBで異なります。
UVAは、紫外線A波、または生活紫外線とも呼ばれます。
中でも、波長が340〜400nmの長波長のUVAはロングUVAとも呼ばれています。
皮膚が黒くなる日焼けをサンタンといいますが、これは主にUVAのしわざです。
また、地表に届く紫外線のうち大部分を占めるのがUVAです。
UVBはレジャー紫外線とも呼ばれ、日光浴でお肌が赤くなったりする日焼け(サンバーン)はUVBが原因です。
UVBは、全紫外線の約5%程度を占めます。
UVBは肌表皮に影響を与え、ターンオーバーを乱したり、バリア機能を低下させ、乾燥肌の原因になります。
光老化のお肌への影響は?
このようにUVAとUVBは、その性質は違うものの、皮膚が老化する大きな原因であることには違いありません。
紫外線ダメージによって、皮膚の細胞はDNA が損傷されます。
また、紫外線により発生する活性酸素が酸化ストレスを引き起こし、細胞がダメージを受けます。
見た目には問題ないようでも、組織や細胞を調べると表皮や真皮の組織の機能が低下していることがわかっています。
年齢を経て老化するだけのお肌は、次の特徴があります。
皮膚が薄くなる
皮膚の色も薄くなる
一方、光老化の場合は、その逆に次の特徴があります。
皮膚の角質は厚くなる
皮膚の色が濃くなる
これは、加齢による自然な老化と違って、お肌が紫外線に反応して、「防御」しようとした結果なのです。
そして、メラニンが蓄積してシミとなったり、真皮層もダメージを受けてしまい、コラーゲンやエラスチンが変性してしわなども目立つことになるのです。
光老化を防ぐ基本の対策
光老化を予防するためには、正しい紫外線対策を実践することが大切です。
環境省が発行している「紫外線環境保健マニュアル」では、以下のような紫外線対策を示し、紫外線への理解と対策を呼びかけています。
紫外線の強い時間帯を避ける
日陰を利用する
日傘や帽子を利用する
袖や襟のある衣服でからだを覆う
サングラスをかける
日焼け止めクリームを使う
これらは、紫外線対策を行い、光老化を予防する基本的なことなので、ぜひ、実践しましょう。
この中でも、「日焼け止めを使う」ことがもっとも大切です。
光老化を防ぐためには、日焼け止め(サンスクリーン剤)を、正しく使用しましょう。
そのポイントは、次のとおりです。
UVBとUVAおよび近赤外線(NIR)にも有効なものを選ぶ
日常生活なら、SPFは5以上、PAは+以上のもので十分
少し厚塗りになるように塗る
3時間を目安に塗り直す
汗などで流れたりしたら、すぐに塗り直す
うなじや、耳たぶ、デコルテ、首、手の甲なども塗る
紫外線対策のアフターケアも大切!
日焼け止めや衣類などによる紫外線対策と同じぐらい大切なのは、紫外線のアフターケアです。
なぜなら、いくら予防につとめても完全に紫外線カットをするのは難しいからです。
そのため、お肌では過剰な活性酸素が発生して疲れてしまっていることもあります。
紫外線を浴びた後は、肌の酸化を防ぐためにアフターケアには抗酸化成分や十分な栄養、質の高い睡眠を取り入れましょう。
特に意識して摂りたい食べ物は、ビタミンA、C、Eやポリフェノールなどの抗酸化物質を含むものです。
また、お肌への速やかな吸収を考えると、紫外線を浴びた後に、ビタミンACEの誘導体やナールスゲンなどの抗酸化作用のある成分を配合したエイジングケア化粧品でアフターケアを行うことをおすすめします。
光老化の治療は美容医療で
とはいえ、化粧品によるスキンケアでは、光老化によって目立つ深いしわやほうれい線を消すことはできません。
光老化による深い肌悩みの場合は、美容医療も検討しましょう。
光老化の1種であるシミの予防の場合なら、医薬部外品である美白化粧品が使われますが、皮膚腫瘍の場合は外科的な手術による切除があります。
そのほかでは、レーザー、レーザー以外の光治療、ビタミンA誘導体(トレチノイン、レチノール)などの医薬品外用薬による治療、ビタミン類の内服などがあります。
その中で、光老化のゴールドスタンダードが、フォトフェイシャルです。
フォトフェイシャルは、ちょうど2000年に日本に導入されたIPL(Intense Pulsed Light=インテンス・パルス・ライト)という機器によって、光を照射して行う光老化の治療法です。
IPLは、レーザー以外の光治療の1つとして分類されます。
光老化によるお肌のトラブルにIPLの光が当たり、そのネルギーが熱に変化してお肌の状態を改善する仕組みです。
侵襲が少なくダウンタイムが短く、安全かつ扱いが簡便であることから、現在では代表的な光老化の治療法になりました。
フォトフェイシャルは、光老化によるシミ・そばかす、くすみに対しての効果が高く、また毛細血管の拡張やニキビ跡にも有効です。
まとめ
光老化とは何か、その原因をはじめ、光老化を予防するための効果的な紫外線対策についてご説明しました。
また、予防のために大切な紫外線のアフターケア、さらには光老化の美容医療についてもご紹介しました。
この記事「光老化の対策」を参考にして、光老化についての理解を深め、効果的な紫外線対策を実践することで光老化の予防に努めていただければ幸いです。